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『座頭市』『眠狂四郎』『悪名』『兵隊やくざ』など大映の看板シリーズを手がけた田中徳三監督が、雪国に語り継がれている雪女伝説をもとにしながら、ホラー映画ではなく、幻想的なロマンの世界で描く悲恋物語として仕上げた映画『怪談雪女郎』(1968年)。
本作の音楽を手がけたのは、『鯨神』(1962年)、『新・座頭市物語』(1963年)、『忍びの者 霧隠才蔵』(1964年)、『大殺陣 雄呂血』(1966年)などの作品で田中徳三監督と組んできた作曲家 伊福部昭。
生涯を通じ、管絃楽曲、舞踊曲、歌曲、室内楽曲、器楽曲など、多くの分野にわたる純音楽作品を発表。映画『銀嶺の果て』(1947年)を皮切りに映画音楽を手がけ、社会派からアニメまで300本を越える幅広いジャンルの作品に楽曲を提供し、中でも『ゴジラ』『大魔神』などの特撮映画音楽の人気は高く、世代を超えた幅広い層のファンを獲得している。
『怪談雪女郎』について伊福部は、長い付き合いの田中徳三監督作品ということもあり、音楽担当を引き受けたものの、本作にどのような音楽が必要なのかわからず困り果てた―――とその作曲の苦労を折にふれ語っている。
金管をおさえ、絃楽と木管楽器を主体とした温かみのある音色に於いて雪女郎(藤村志保)と与作(石浜朗)の“愛のテーマ”の面と、その静謐な楽想に於いて悲しい結末を暗示する哀歌の面とに結び付く主題曲。
本編の随所で妖しく芳醇に鳴り響く、木頭(拍子木)、箏、琵琶、笙、鞨鼓、太鼓などの邦楽器群。
藤村志保が唄う童唄、「湯立神事」を彩る神楽(マスターテープより本編未使用「女唄入り」バージョンを発見!)などのプレスコ(プレスコアリング:映像の撮影に先行して音楽を録音する手法)用楽曲も作曲―――
近年、映画作品としての評価が目に見えて高まっている『怪談雪女郎』。本作への仕事について、作曲者が残した言葉を果たして額面通りに受け取るべきなのか。再評価の要因にはやはり伊福部昭の音楽が大きな影響を与えているのではないか―――
(株)KADOKAWA全面協力のもと、Salidaは、『怪談雪女郎』音楽オリジナル6㎜マスターテープ音源をデジタルデータ化。
『怪談雪女郎』への作曲家 伊福部昭の“仕事”を再確認すべく、本編使用全楽曲に加え、未使用音源&別テイクに至るまで最新デジタル・マスタリングを施し、CD音質「44.1kHz/16bit」の情報量を上回る、「48kHz/24bit」WAVデータでの初完全ダウンロード配信を実現しました。
〔特典〕
● 「大映映画『怪談雪女郎』―監督と作品について―」:出口寛泰
● 『怪談雪女郎』楽曲解説 出口寛泰・他
● 伊福部昭の仕事『怪談雪女郎』音楽データ完全配信ジャケット画像
(各PDFデータ)
同封。
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配信データ
(ファイル形式:「48kHz/24bit」WAVデータ)
F‐1:大映マーク(DB-TOP)0:44
F‐2:メインタイトル(DB2)2:07
F‐3:雪女郎豹変(DB4-M2A)0:18
F‐4:雪女郎との誓い(DB4-M3)2:26
F‐5:うなされる与作(DB5)0:30
F‐6:ゆきの手(DB7)1:58
F‐7:初夜(DB11)1:57
F‐8:湯立神事(PS26(音楽のみ))2:52
F‐9:老巫女の霊力Ⅰ(DB12)0:55
F‐10:湯玉の傷痕(DB13)1:10
F‐11:童唄〔子供たち〕(PS35(子供)B)0:55
F‐12:童唄〔ゆき〕(PS35(志保)A)1:03
F‐13:家路(DB16)0:43
F‐14:雪女郎の決意(DB20)2:00
F‐15:看病する雪女郎(DB21)1:04
F‐16:焦燥と安堵(DB22)0:48
F‐17:行慶の仏像(DB25)1:08
F‐18:老巫女の霊力Ⅱ(DB27)0:57
F‐19:雪女郎怒る(DB28)1:15
F‐20:老巫女(DB31)0:17
F‐21:破られた誓い(DB32)2:55
F‐22:エンディング(DB32イ)2:45
【ボーナストラックファイル】
BTF‐1:ゆき(DB6)1:07
BTF‐2:湯立神事〔女唄あり〕(PS26(女唄あり))2:56
BTF‐3:祭の太鼓Ⅰ(DB26(太鼓))1:25
BTF‐4:祭の太鼓Ⅱ(DB28(太鼓))2:54
BTF‐5:祭の太鼓Ⅲ(DB29(太鼓))0:45
BTF‐6:童唄〔子供たち〕(PS35(子供))0:55
BTF‐7:童唄〔子供たち〕(PS35(子供)A)0:55
BTF‐8:童唄〔ゆき・吹替〕(PS35(志保・吹替))1:08
BTF‐9:童唄〔ゆき〕(PS35(志保))1:03
BTF‐10:エンディング(DB32イA)2:49
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企画/制作/構成:出口寛泰(Salida)
マスタリング・エンジニア:岩崎芳和
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Salida研究 作曲家
伊福部昭(1914~2006)
1914年、北海道釧路市に生まれる。
伊福部家は、因幡国の古代豪族で、後に因幡国一宮 宇倍神社の神官を代々務めた。
父親の代で北海道に移り、同地で父親は警察官吏を務めた後、音更村村長に就任。音更村にはアイヌの集落があり、村長の息子という特殊な立場から、小学生の頃よりアイヌの人々、行事、文化に触れる。また、同時期にヴァイオリンやギターを自学自習しはじめる。
札幌第二中学校在学時、知り合った三浦淳史(後の音楽評論家)からのすすめもあり、海外から楽譜や理論書を取り寄せ、独学で作曲の勉強をはじめる。
北海道帝国大学農学部林学実科に進み、1934年に三浦と早坂文雄(後の作曲家)らと「新音楽連盟」を結成。「国際現代音楽祭1934」を主催し、エリック・サティ等の作品を日本初演する。
1935年、帝室林野管理局森林官吏となり、地方林務官として厚岸に勤務。同年催されたチェレプニン賞コンクールに初の管絃楽作品《日本狂詩曲》を応募。第一位入賞を果たし、一躍国際的声望を獲得する。しかし、ただちに音楽の道に転じる決心はつかず、以後「日曜作曲家」として作曲活動を継続していく。
1938年、《ピアノ組曲》(1933)が、ヴェネツィア国際現代音楽祭に入選。
1940年、母校の北海道帝国大学演習林事務所に嘱託として勤務。
1943年、《交響譚詩》が日本ビクター主催第二回管絃楽曲懸賞に第一位入選。
1945年、総木製飛行機の開発に携わる戦時科学研究員として、宮内省帝室林野局林業試験場に勤務する。
1946年、作曲への転身を決意し、北海道から日光に移る。折良く届いた依頼に応じ、東京音楽学校(現・東京藝術大学)作曲科講師を1953年まで務める。
1947年、東京都世田谷区に転居。映画『銀嶺の果て』を皮切りに映画音楽を手掛け、優に300本を越える幅広いジャンルの作品に楽曲を提供した。この分野では、1956年に映画『ビルマの竪琴』、『鬼火』、『真昼の暗黒』の仕事で、第11回毎日映画コンクール音楽賞を受賞している。
1974年、東京音楽大学作曲科教授に着任。1976年より、同大学学長を1987年まで務める。また、同大学民族音楽研究所の開設に携わり、所長を務めた。
1980年に紫綬褒章、1987年に勲三等瑞宝章を受章。2003年、文化功労者に顕彰される。
生涯を通じ、管絃楽曲、舞踊曲、歌曲、室内楽曲、器楽曲など、多くの分野にわたる純音楽作品を発表した。
著書に、豊富な分析データに裏付けされた詳細な記述と実用性の高さで類書を圧倒する理論的大著『管絃楽法』、啓蒙書『音楽入門』がある。
公私にわたり多くの作曲家を育て、初期の教え子に芥川也寸志、池野成、石井眞木、今井重幸、奥村一、小杉太一郎、永冨正之、原田甫、松村禎三、眞鍋理一郎、黛敏郎、三木稔、矢代秋雄、山内正、等がいる。
『怪談雪女郎』DVD
〔1968年 監督:田中徳三 音楽:伊福部昭〕
発売元・販売元:KADOKAWA
絶賛発売中!
価格:3,080円(税込)
池野成(1931~2004)
1931年、司法官である父の任地であった北海道札幌市に生まれ、間もなく父の転勤に伴い、東京に移る。
祖父はイチョウとソテツの精子を発見したことで世界的に著名な植物学者 池野成一郎。
東京藝術大学において池内友次郎、伊福部昭に師事。
1952年、《序奏と交響的アレグロ》が第21回日本音楽コンクール管弦楽曲部門第2位入選。山田和男(一雄)指揮 NHK交響楽団により演奏される。
1953年、江口隆哉・宮操子舞踊団により発表された舞踊曲《作品七番》を演奏会用作品《ダンス・コンセルタンテ》に改作。上田仁指揮 東京交響楽団第58回定期公演において演奏され注目を集める。
これまで東京音楽大学、東京藝術大学において、作曲および管弦楽法講師を務め、多くの人材を育成した。
主な純音楽作品に《EVOCATION》(1974)、《TIMPANATA》(1977)、《RAPSODIA CONCERTANTE》(1983)、《古代的断章》(1984)等がある。
また、吉村公三郎監督作品『嫁ぐ日』(1956年)を皮切りに劇伴音楽を手掛け、同監督作品『夜の河』『夜の蝶』『女の勲章』、川島雄三監督作品『女は二度生まれる』『雁の寺』『しとやかな獣』、増村保造監督作品『黒の試走車』『ぐれん隊純情派』『赤い天使』、山本薩夫監督作品『氷点』『白い巨塔』『座頭市牢破り』、岡本喜八監督作品『顔役暁に死す』、三隅研次監督作品『剣』、今井正監督作品『越後つついし親不知』、福田純監督作品『電送人間』、黒田義之監督作品『妖怪大戦争』 等々、記録映画やテレビ番組を含め、その担当作品は300本近くになる。
2004年8月13日歿